完全菜食主義の両親が育てた赤ちゃんに脳障害 栄養失調のうえ健診も受けさせず

極端な食生活の偏りに対し、判事は「精神面でのカウンセリングが必要だ」と述べた。

2020/10/04 10:00

野菜を食べる赤ちゃん
(Martinan/istock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

「ヴィーガン」とも呼ばれる完全菜食主義者の人たち。彼らは肉や魚ばかりか、卵や乳製品の摂取も拒む。しかし、成長期にある我が子に同じ食の価値観を押し付ければ、深刻な問題が起きてくることを忘れてはならないようだ。



 

■体重わずか6.6キロ

2018年8月、オーストラリア・メルボルンにあるロイヤル・チルドレンズ病院の集中治療室に、ぐったりとしている生後12ヶ月の女の赤ちゃんが運ばれてきた。

体重はわずか6.6キログラム。同じ月齢の女の子の平均体重より4キロも少なかったうえ、全身の皮膚の色がひどくくすみ、あざ、発疹、潰瘍もできていた。さらに小脳のダメージによる協調運動障害、筋力低下、そして体の震えなどが見られたという。


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■野菜・果物で育児

赤ちゃんの30代前半の両親は、我が子の健康を真剣に心配している様子だった。

医師が普段の食生活について質問すると、両親は「自分たちは完全菜食主義者。子供には育児用ミルクを与えず、ココナッツウォーターに野菜や果物を混ぜたスープで育ててきた」と説明。偏った食習慣を我が子にも強要していたのだった。

また、両親は保健師や看護師から育児に関して注意されることを嫌がり、医療機関ではなく、代替医療を提唱するウェブサイトを頼りにしていた。娘の体調不良についても、たびたびそのオンライン相談を利用していたという。

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■脳と神経に一生のダメージ
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