コロナ禍で内定取り消しが増加 学生側が注意すべき点を弁護士が解説

新型コロナの影響で、大学生の内定取り消し事案が増加傾向に… その背景と学生側へのアドバイスを、齋藤健博弁護士が解説

2020/10/10 08:40

就職活動
(jyapa/iStock/Getty Images Plus/画像はイメージです)

厚生労働省が今年9月15日に発表した、2020年春卒業の大学生や高校生への採用内定取り消しが、8月末の時点で174人だったと発表。19年春卒を対象とした調査の約5倍であることが明らかになりました。

本記事では、コロナ禍における就職活動、内定取り消しの実態について、齋藤健博弁護士が解説します。



 

■内定取り消しに関する相談は増えている

弁護士・齋藤健博先生

――コロナ禍において、実際に内定取り消しに関する相談は増えているのでしょうか。

齋藤弁護士:増えています。相談を受けていると、そもそもがリモート面談をして、仮に雇用してもらえる状態に至っただけの事例が多いように思われます。


この場合、双方、人間関係がしっかりできていない状態とも言えるわけですから、内定取消にハードルが高くないとはいえるのではないでしょうか。逆に学生さん側は、選べる側ではなく、一社に期待してしまうことも多いようで、内定取り消しは死活問題だと話していました。


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■内定取り消しのハードルが低くなり…

――コロナ禍での内定取り消しにはどんな特徴があるのでしょうか。

齋藤弁護士:内定取り消しは、その理由・根拠によっては、不適法な本採用拒否になります。法的には、解雇のように、ある意味厳しい規制が働いていくのです。


しかし、コロナ禍にあっては、内定取り消しに対するハードルは極めて低くなっている印象を受けます。実際に、ツイッターなどでもそんな話をよく見聞きします。取消をするハードルは低くなっていても、適用される労働法は一緒です。コロナ禍だけを抽象的に根拠とすると、不適法な内定取り消しと判断される可能性があることは指摘できます。


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■学生側は争う手段も視野に

――もし、内定取り消しを言い渡されてしまった場合、学生側はどのような対応をとることが望ましいのでしょうか。

齋藤弁護士:企業側の内定取り消しにつき、詳細に理由を求めていくことが不可欠でしょう。抽象的に内定取り消し、だけの意思表示をうけただけでは、不適法な処分になる可能性は高いのです。一喜一憂するより、当該会社で勤務したい強い意志があるのであれば、しっかり理由を求め、場合によっては争うなどの手段も視野に入れるべきではないでしょうか。


内定取り消しは不適法な処分である可能性も十分考えられます。まずしっかりと内定取り消しに至った理由説明を求め、状況によっては、勇気を持って争う姿勢を示すことも大切です。

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(企画・文/弁護士・齋藤 健博

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