「咳をするなら腕で」乗客らに訴えたバスの運転士 12日後に無念のコロナ感染死

今、咳をしている人に近づくことは不安だ。そうは思っても近距離で接客しなければならない職業もある。

2020/04/06 09:20

バス運転手
(Phurinee/iStock Editorial/Getty Images Plus/写真はイメージです)

日本時間の4月5日午後3時半現在、311,500名を超す新型コロナウイルスの感染者と8,499名の死者が確認されているアメリカ。デトロイトがあるミシガン州も感染者数14,225名、死者540名と深刻だ。そんな中、ある一般人男性が自撮りで投稿した1本の動画に大きな注目が集まっている。



 

■バスの乗客がゴホゴホと咳

米国・ミシガン州デトロイトで、長年にわたり路線バスの運転士として働いていたジェイソン・ハーグローブさん。彼は3月21日、デトロイト市民に咳エチケットを守るよう訴えかける動画を自撮りし、Facebookに投稿していた。

ジェイソンさんが運転するバスには、連日のようにマスクをせず、口元を覆うこともせず咳をする客が乗って来る。彼は動画で「そのような状況では、周囲の乗客や自分がいつ感染するかわかったものではない」と不安や恐怖を口にしていた。


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■運転士が乗客から感染か

ところがその数日後にジェイソンさんは発熱。いちじるしく体調を崩して入院し、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染していることが判明した。乗客からの感染が疑われるなか容体はみるみる悪化し、重症肺炎に陥っていったという。

そして動画投稿から12日後となる今月1日夜遅く、治療の甲斐なくジェイソンさんは息を引き取った。享年50。ベテラン運転手としてまだまだ働けるはずだった。

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■咳エチケットの真剣な訴え
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