新型コロナ急増で気になる乾燥 加湿や換気のコツを気象予報士が空調メーカーに直撃

気温や湿度が下がると活性化すると言われる新型コロナウイルス。どのように対策すればいいか、気象予報士・千種ゆり子さんが空調メーカー・ダイキンに聞いた。

2020/11/25 16:30

気象予報士・千種ゆり子

気象予報士の千種ゆり子です。新型コロナウィルスの感染が拡大しています。東京や大阪を中心に全国で感染者が急増したのが11月中旬以降ですが、それに先立って北海道で11月上旬から感染者が急増しました。

北海道の急増について「寒さにも一因があるのでは」という意見がありましたので、あくまで気象予報士の観点からとなりますが、現状について考察します。また、乾燥・低温の冬、換気や加湿のコツを大手空調メーカーに取材しました。


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■雪が降っても北国は極度の乾燥

冬になると空気は乾燥します。晴れて空っ風の吹き付ける太平洋側はもちろん、雪が降る北海道日本海側でも、かなりの乾燥度合いなのです。

気象庁
(気象庁気象観測ガイドブックより引用・加工)

上の図は「1㎥の空気が含むことができる水蒸気量」を表しています。

例えば東京の気温が10℃だとすると、最大で9.3gの水蒸気を含むことができます。相対湿度が50%だとすると、最大量の半分の水蒸気があることになるので、4.65gです。一方札幌の気温が0℃で、雪が降って湿度が100%だとしたら、水蒸気量は0℃における最大値の、4.8gになります。

湿度はテレビなどでは%で表されることが多く、100%と聞くとかなり水蒸気がありそうですよね。でも実際は東京と同じです。気温が低ければ、絶対的な水分量は、かなり少なくなるのです。


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■ポイントは「気温も湿度も上げる」

感染症に詳しい専門家に話を聞くと、「温度が低いとウィルスが長生きしやすくなり(ウィルス不活性化)、湿度が低いと飛沫が空気中を漂いやすくなる」のだそうです。

つまり、人の出入りが少ない一般家庭などでは温度を上げて湿度も上げる、というのがウィルス対策のポイントになりそうです。室温を上げるためには暖房を使うかと思いますが「エアコンは乾燥がちょっと…」と思うそこのアナタ。例えば洗濯物を室内に干してみましょう。

室内に洗濯物を干し、それに向かって暖房の風を当てるのです。風が当たることで水分が蒸発し、空気が潤います。室温も湿度も上がるので一石二鳥。

気温は17℃以上、湿度50~60%が目安です。洗濯物だけでは50~60%に届かないかもしれないので、できれば加湿器も併用しましょう。

ダイキン
(画像提供:ダイキン工業)

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