菅義偉首相、会見冒頭で国民の協力に頭下げる 政権1年の成果を列挙も
9日、菅義偉首相が緊急事態宣言の延長などについて記者会見。「やり切るには1年はあまりにも短い」とも。
菅義偉首相は9日19時から記者会見を開き、12日までとされていた19都道府県への緊急事態宣言の延長を発表した。宮城県と岡山県は、まん延防止等重点措置に切り替えとなる。
現在まん延防止等重点措置が出されている12県のうち、富山、山梨、愛媛、高知、佐賀、長崎の6県については12日をもって解除される。
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■宣言解除の考え方は3点
菅首相は、専門家会議で討議された宣言解除の3つの基準を紹介「病床使用率50%以下」「重症者・新規感染者・自宅療養者の数が減少傾向」「ワクチン接種の効果」この3点を総合的に判断した結果という。
会見冒頭で、医療介護関係者、また国民の協力に対して、「本当にありがとうございました」と頭を下げた菅首相。
コロナとの闘いから学んだこととして、「ウイルスの存在を前提に新たな感染拡大への備えを進め、ウィズコロナの社会経済活動を進めていく」、また「ワクチンは効く」として、4月の訪米で全国民分を確保したこと、予想を上回るペースで接種が進んでいることについて胸を張った。
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■政権の成果振り返る
菅首相は、総裁選不出馬を表明してから初の記者会見ということもあり、1年間の政権の歩みを振り返った。
2050年のカーボンニュートラル、デジタル庁の設置、携帯電話料金の引き下げで家計負担が4,300億円減少したこと。また、不妊治療の保険適用、男性育児休業の取得促進、40年ぶりの35人学級などの少子化対策、東京オリパラの開催などについて語り、「すべてをやり切るには1年はあまりにも短い時間」と述べつつ「道筋を示すことができたのではないか」と語った。
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■次の政権への3つの期待
政府分科会の尾身茂会長は、「次の政権への期待」を問われ、現政権の対策を基礎に3つのお願いをしたいと表明。「ワクチン接種のさらなる推進」「高齢者や基礎疾患がある人への早期検査・早期治療ができる仕組み」「ワクチンと検査陰性のパッケージ」の3点だ。
感染が残るスポットへの接種やブースター接種、抗体カクテル療法の活用、ワクチン検査パッケージの運用については、できるだけ早く進めてほしいと述べた。
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(取材・文/しらべぇ編集部・タカハシマコト)