なぜ春菊から基準値180倍の農薬が検出? 原因についてJAなどを直撃した

通常の180倍の殺虫成分が検出された謎。いったい何が起きたのか。

2020/12/09 12:30

春菊
(写真提供:福岡市)

福岡市は8日、JAくるめ(福岡県久留米市)が出荷し、福岡市内の青果店等で販売された春菊から基準値の180倍の農薬・イソキサチオンが検出されたと発表した。しらべぇ取材班は、その危険性について関係各所を直撃した。



 

■福岡市成果市場で基準値を大幅に超える農薬

福岡市食品衛生検査所が、福岡市青果市場で春菊の残留農薬スクリーニング検査を実施したところ、基準値を大幅に超える農薬(イソキサチオン)が検出された。同検査所ではスクリーニング検査を定期的に実施しているという。

基準値を超えたのは「筑紫次郎の贈り物」と「福岡産」と書かれた春菊で、今月7日または8日に、市内のイトシマ(同市東区)やあかね(城南区)等で販売された170束が対象。市は「対象商品は絶対に食べないように」と呼びかけており、卸会社と販売店は現在自主回収を進めている。


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■健康被害が出るおそれ

農薬イソキサチオンは、有機リン系殺虫剤で多くの野菜や果物に使われている。規定基準値内の使用であれば問題ないが、今回は基準値が0.05ppmのところ、実際には9ppmが検出された。

福岡市食品衛生検査所によると、体重60kgの人が今回の春菊を20g食べると、よだれが垂れたり、嘔吐、失禁するなどの症状がでる場合があるという。ひどい場合には、痙攣(けいれん)することもある。

今回の対象の春菊はひとたば約150gで、同所長によると「湯がいて食べるとだいぶ落ちる」とのことだが、鍋に入れた場合、汁に混入するおそれがある。

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