ヒーローのパンチとビームは暴行罪? 知らないと怪獣に訴えられる可能性も

弁護士であり、実はご当地ヒーローのMCのお姉さんでもある阪口采香先生が、ヒーローの行為を日本の刑法の観点でチェック!

2020/10/14 09:40

ヒーロー
(Deagreez/istock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

「みなさーん! こーんにーちはー!」

今回は、ヒーローショーのように登場してみました。レイ法律事務所の弁護士・阪口采香です。

じつは私、役者活動もしておりまして、岡山県井原市のご当地ヒーロー「天神獅子イバラスター」のMCのお姉さん、「青野浪漫」役を担っております! ヒーローってすごいですよね! 街を襲う悪者をやっつけて、みんなの平和を守ってくれて!

…あれ? でもヒーローって、悪者相手にパンチしたりビーム出したりしてるけど、これって法律的に大丈夫なのかな? ということで、今回はヒーローと法律について見ていきたいと思います。

レイ法律事務所・阪口采香弁護士



 

■ヒーローに法律は適用されるのか

パンチやビームと聞いて、「それって暴力じゃないの?」と思う方もいるはず。日本では人に暴力を振るうことは、刑法によって「暴行罪」(怪我をさせてしまったら「傷害罪」)とされています。ということは、もしかしたらヒーローの行為も犯罪…?

しかし、日本の刑法が適用されるには、前提として行為者が「人」であることが必要です。これは「地球人」を意味します。星ごとに秩序も違うと思われますので、別の星の法律まで守らされるのでは、たまったものではありませんからね。

もっとも、星をまたいでよくない行為が繰り返されるような自体になった場合は、宇宙全体を規律する法律も登場するかもしれません。


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■地球人か異星人かがポイント

さて、ヒーローと一概にいっても、いろいろなタイプのヒーローがいます。

・仮面ライダーのように人間が変身するタイプのヒーロー:人間色が強いので、「人」として刑法が適用されそうです。


・ウルトラマンのようにM78星雲から来たヒーロー:「人」ではなさそうです(M78星雲という地球外から来たウルトラマンがハヤタ隊員に扮していますので、ここでは異星人として扱います)。


ちなみにイバラスターは、人間とヒーローが合体変身するタイプのヒーローであり、判断が難しいです。美星町という星がとても綺麗な所から来た異星人なので、刑法は適用されませんが、悪者をやっつけるときには人間と合体変身をしていますので、地球人の要素も残っています。

ただ、外見は完全に異星人のヒーローなので、合体変身をしているとバレることはないでしょう。そうなると、事実上、刑法は適用されないかもしれません。

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■刑法が適用されるとしたら…?
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