「低血圧だから朝起きられない」説は本当? ”まさかの事実”に驚愕…

低血圧と早起きが苦手なことに関係はあるのか。医師に聞いてみると…。

2022/11/25 04:15

睡眠イメージ

かねてから「低血圧=朝が弱い」という通説がある。だが、最近はネット上で「低血圧は関係ないのでは?」という声も。

低血圧と早起きが苦手なことに関係あるのか、取材してみると「意外な事実」が判明して…。



 

■ネット上では疑問の声も

「低血圧だから朝早いのは苦手」──。家族や友達、仕事仲間からこの言葉を聞いたことがある人は多いはず。もしくは、自分自身がそういう体質だと思う人もいるだろう。

ネット上でも、「元々低血圧で朝弱いんだけど最近特にひどい」「低血圧で朝弱いからどうしてもぼーっとしてるうちに二度寝しちゃう」「この体質何とかならないかな」と低血圧で悩む人の声が多数見受けられる。

一方で、「低血圧で朝起きられないとよくいうけど、本当かどうかはわからないらしい」「血圧低いと朝起きられない説は絶対関係ない」「高血圧でも普通に起きられないから関係ないと思う」など、古くからの通説に疑問を抱く人の声も…。


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■「低血圧」に明確な定義はない…?

「低血圧=朝弱い」は本当なのだろうか。医療法人社団藤和会あんどう内科クリニック院長・安藤大樹さんは、医学的な根拠はないと指摘する。

まずは「血圧」と「低血圧」について理解する必要がある。「血圧は心臓から送り出された血液が血管の壁を押す圧力のことをいいます。血液は心臓が収縮したり拡張したりするポンプ機能により、全身に送られます。収縮した時に最も強い圧がかかるのでこの時の圧が上の血圧(収縮期血圧)、拡張した時に最も低い圧がかかるのでこの時の圧が下の血圧(拡張期血圧)になります。低血圧は『血圧が低い』という状態を表す言葉で、病名ではありません。臨床の現場では、一般的に『収縮期血圧が100㎜Hg未満』をある程度の基準にしていることが多いですが、そもそも低血圧は大出血や心筋梗塞など急激な血圧低下の場合を除いて、深刻な問題になりにくいため今まであまり問題視されてきませんでした。明確に定義されていないため、『低血圧と朝の調子の悪さの関係』といった研究も、十分にされていないのが現状です」(前出・安藤さん)。


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■朝不調になる原因

前出の安藤さんによると、低血圧の人でだるさ・めまい・頭痛・肩こり・耳鳴り・不眠・胃もたれなど様々な症状が朝起きた時に認められることも多いという。

朝、不調を感じる原因について聞いてみた。「大きく分けて、『血の巡りが悪くなる』と『自律神経のバランスが崩れやすくなる』という2つの理由が考えられます。前者に関しては、低血圧の人は一般的に心臓から血液を送り出す力が弱いため、血圧が正常な人と比べると、全身をめぐる血液の量が少なくなりがちです。血液は全身の臓器に酸素を運ぶ役割があるので、血圧が低いと全身の臓器が酸欠状態になってしまいます。起床時は脳をはじめ全身の血流を増やして起きる準備をするので、血圧が低い場合は相対的に脳が酸素不足に陥り、起きてもすぐには脳が反応しません」(前出・安藤さん)。

後者の自律神経に関してはこのように語る。「自律神経とは、内臓や代謝、体温といった体の機能を24時間ずっと監視して調整している神経のことです。身体を活発に動かすアクセルの役割をする『交感神経』と休ませるブレーキの役割をする『副交感神経』の2つに分かれます。この『アクセル』と『ブレーキ』を上手く使って、出来るだけスムーズな運転が出来るように調節しているのが自律神経です。朝すっきり起きるためには、起床のタイミングで副交感神経から交感神経にスムーズに切り替わる必要があります。しかし、血圧の低い人は、循環の悪さからくる不調をアクセルとブレーキを駆使して24時間ずっと調整しています。そのため、どうしても自律神経が乱れがちになります」(前出・安藤さん)。


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■低血圧の人がやるべき対策

では、低血圧の人が朝少しでもすっきり起きられるようにするには、どうすればいいのだろうか。「朝起きてすぐ行うこととして、起床時に布団の中でストレッチやマッサージをする・太陽の光を浴びる・手のひらを温める、白湯を飲む・朝食をしっかりとることです。また、日頃から1日3食バランスのいい食事をとる、適度な運動を行う、腸内環境を整えるといったことを心がけましょう」(前出・安藤さん)。

これらは、先述した『血流を改善させること』と『自律神経を整えること』につながるという。

低血圧で朝起きるのが辛い人は生活習慣を変えるところから始めてもいいかもしれない。

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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人 取材協力/医療法人社団藤和会あんどう内科クリニック院長・安藤大樹さん

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