家族4人がいずれ失明する網膜色素変性症 子供を休学させ一家で1年の世界旅行へ
医学の進歩により、網膜色素変性症の治療法が見つかることが理想だが…。
遺伝性の眼病「網膜色素変性症」は、多くが小児から40代までに発症し、徐々に視力を失っていく。家族の6人中4人がその病気を抱えていることがわかった一家が、子供たちを休学させて1年の長旅に出た。
大胆な決意が話題を呼んでいることを、『CNN』や『Travel Noire』などが伝えた。
■網膜色素変性症の恐ろしさ
「網膜色素変性症」とは、両眼の視細胞やそこに密着している網膜色素上皮細胞に異常が発生し、視細胞が早く老化する。暗いところで物が見えにくくなり、視野も狭くなって、やがてほぼ失明の状態に追い込まれる恐ろしい病気だ。
『難病情報センター』によると、日本では4,000~8,000人に1人が罹患し、遺伝性か孤発性かは半々。家族の誰かがそう診断されると、親やきょうだいも遺伝子検査を受けることになるようだ。
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■夕方に視力が落ちる長女
カナダ・ケベック州のエディス・ルメイさんは、その網膜色素変性症と診断された1人。結婚12年の夫であるセバスチャン・ペルティエさんとの間に、ミアさん(12)、レオくん(9)、コリンくん(7)、ローレンくん(5)という4人の子供がいる。
2018年、長女のミアさんが「夕方になると目が見えない」と訴えて眼科を受診し、その病気が発覚。家族で遺伝子検査を受けた結果、エディスさん、コリンくん、ローレンくんにも変異が確認された。
そのとき夫妻は「できるだけ早く、世界中の素晴しい景色と旅の思い出を脳裏に焼き付けよう」と決意したのだった。