「ひふみん」こと加藤一二三九段が63年の現役生活に幕! ファンから労いの声

引退が決定している加藤一二三九段が最後の戦いに出陣!その結果は…

2017/06/21 06:30

加藤一二三

20日、将棋棋士で「ひふみん」の愛称で親しまれる加藤一二三九段(77)が、竜王戦6組昇級者決定戦対高野智史四段戦に臨み、敗北。63年にも及ぶ現役生活に、ピリオドを打った。



 

■「負ければ引退」の一戦

加藤九段は前期に行われた順位戦(棋士の序列を決定するリーグ戦)で1勝9敗となり、フリークラスへ降級。年齢制限のため現役棋士として将棋を指すことができないため、対局の権利がある棋戦の消滅を待ち、引退することになっていた。

今回の竜王戦は残された最後の棋戦で、「負ければ即引退」の一戦。バラエティ番組で見せる愛くるしい笑顔はまったくなく、険しい表情で対局に臨む。

相手の高野智史四段は、1993年生まれの23歳で2015年10月に棋士になった新鋭だ。祖父と孫ほど歳の離れた両者が、己の意地とプライドをかけて激突。

対局の模様は「ニコニコ生放送」「AbemaTV」「将棋プレミアム」でそれぞれ生中継され、ニコ生だけで10万人以上が視聴。高い注目を集めた。


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■得意戦法で若手に挑むも…

大一番で加藤九段が採用したのは、長きに渡り愛用し、タイトル獲得の原動力ともなった「矢倉」。「将棋の純文学」とも称される王様をガッチリ囲う戦法で、若手に堂々と立ち向かっていく。

注目の昼食は、大好物の「うな重」をチョイス。さらに「おやつ」として6Pチーズを超速で食べ、栄養を補給する。体力・気合とも十分で臨んだが、高野四段が冷静な攻めを見せ、優勢を築く。

加藤九段も気力を振り絞り懸命の粘りを見せるが、鋭い攻めに持ちこたえることができない。最後は相手の高野四段が緊張した表情で一手を放ち、加藤九段が投了。63年の棋士人生が幕を閉じた。


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■ファンからは労いの声が

悔しさをにじませた加藤九段は、対局後の感想戦や取材を一切拒否し、足早に対局場を去る。その顔は最後まで「勝負師」そのものだった。

そんな同九段の功績や、最後まで勝負にこだわる姿勢に、ファンからは労いや称賛の声があがっている。

藤井聡太四段の活躍で、ブームが巻き起こりつつある将棋界。現役を引退してパワーアップした「ひふみん」が、また違った形で将棋を盛り上げてくれることに期待したい。


(文/しらべぇ編集部・佐藤 俊治

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