立憲民主党・枝野幸男代表、痴漢対策の女性専用車両から漏れる「LGBTへの配慮」も必要

女性専用車両を巡る論戦だが、お互いに共通項が見いだせたようだ。

2018/11/02 11:30

枝野幸男

10月31日、枝野幸男「立憲民主党」代表の定例会見が行われた。しらべぇ記事で予告したように、ゲイレポーターの酒井佑人氏が質問に立った。会見前に酒井氏に意気込みを聞いた。

酒井:前回は奇しくもバトルになってしまいましたが、今回は、女性専用車両から漏れるLGBTや10代・20代の男子の痴漢被害率など具体的なデータをもとに、あくまで「女性専用車両をどうするか」の建設的な議論をしたいと思います。



 

■男子大学生の7%も痴漢被害

会見が始まると、酒井氏は次のように質した。

酒井:以前、枝野代表は「女性専用車両には賛成」との回答でしたが、警視庁発表の電車内の痴漢撲滅に向けた取り組みに関する報告書で、被害者の年齢が 19歳以下が52.2%、20代が36.8%、30代が90%。合計で98%。


ですが、現実には、女性専用車両には40代以上の女性も多く利用しています。また、東洋大学大学院の調査によりますと、男子大学生の約7%が痴漢被害を経験しているという統計が出ています。


10代〜30代までの男子を含めると、もっと多くなるのではないかと推測されます。女性専用車両の設置によりこういった、痴漢被害にあった男性、様々な性判断基準がある中で、性的少数者の方などが排除され傷ついていますが、どうお考えですか?


枝野代表は次のように答えた。

枝野:女性専用車両を設けることによって、「全ての痴漢犯罪を抑止できるわけではない」というのはその通りだと思います。


それぞれの性的志向によって、いろんな方がいらっしゃるので、男性と女性という分け方をするだけでは、対応が充分でないことがあるのは間違いありませんが、じゃあ「できることをやらなくていいのか?」という話だと思っております。


ある車両の中のごく一部を女性専用車両にすることで、そこを利用すれば、痴漢の被害に遭う可能性は著しく低くなる。そして、そこを避ければ、痴漢冤罪に巻き込まれるリスクも低くなるということで、大きなプラスがあることは間違いない。


そのことによって、その恩恵が受けられない人たちの感じるデメリットがどれくらい大きいのかと言えば、恩恵が受けられないという意味ではデメリットかもしれませんが、それを言っていたら何もできなくなると思います。


もちろん女性専用車両を作ることにより、恩恵を受けられない方に対する配慮は必要ですが、「女性専用車両が必要ない」という話にはならないと思います。


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■体と心の性が不一致の場合は?

酒井氏は畳みかけるように次のように質した。

酒井:女性専用車両に乗車したところ、体の性が男性でも性自認が女性であるのに見た目だけで女性かどうか判断され、深く傷ついた方々や痴漢、痴女被害に遭って苦しんでいる男性被害者へはどういう配慮があるとお考えですか?


枝野代表は次のように答えた。

枝野:見かけ上は男性に見える方々が女性専用車両を利用することに関して、著しい困難があるのは、私もよく理解しております。


しかし、例えば、男性用と女性用と2つしかないという状況ではなくて、どなたでも利用可能な車両が大部分の中に女性専用車両が1つあるということですので、そうした皆さんに与えるデメリットは総体的に小さいと思っております。


一方で、実際に被害に遭われてる方々が沢山いて、その被害を大きく減らせるという効果がある以上、もちろんいろんな工夫はできるならばしたいと考えていますが、今「こうすれば全てが解決する」という案はありません。


だからと言って「やらなくていいのか?」と言われれば、私は今の痴漢の被害の実態からすれば、女性専用車両は必要だと思います。そこから漏れるLGBTへの配慮が必要なのも当然です。

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■酒井氏自身も被害経験
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