80代夫が浮気した18歳年下の妻を殺害 「せん妄」の主張認められ無罪に
せん妄は、高齢者に起きることがある意識精神障害の1つだという。
イタリアで2年前、高齢の夫が年の離れた妻を自宅のベッドで殺害する事件が起きた。「せん妄」という症状に注目が集まったその裁判が、このほどついに結審したことを、『Mail Online』『Opera News』など英米のメディアが伝えている。
■高齢の夫と高収入の妻
イタリア・ロンバルディア州のブレシアで2019年10月、高齢の夫が18歳年下の妻の浮気を知って激怒して、睡眠中を狙って刃物で刺し、棒で殴るなどして殺す事件が起きた。
死亡した妻のクリスティーナ・マイオリさんは63歳で、文学を教える現役の大学教授であり収入も高かったという。夫のアントニオ・ゴッツィーニ被告(81)はすでに年金生活者だった。
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■弁護人は「せん妄」を主張
アントニオは犯行後に友人に電話してすべてを告白し、通報により逮捕され、殺人罪で起訴された。
検察側は最低でも懲役21年を求刑。一方で弁護人は、犯行当時の被告の精神状態について一貫して「高齢者に起きがちな『せん妄』に支配され、興奮の抑えがきかなくなり、判断能力が著しく低下していた」と、無罪を主張してきた。